「松無古今色」(松に古今の色なし)
天高く昇っていくために大事なこと
茶道のお稽古をしていた頃の話です。
新年最初のお稽古、先生のお稽古場には、この禅語の掛け軸を必ずかけてありました。
松は季節の変化に関わらず、常に緑の葉におおわれている。まわりに惑わされることなく、変わらざる心でお付き合いしましょうね、という意味でしょう。
この掛け軸を背に深々と頭を下げて、私たち弟子に新年のご挨拶をされる先生の姿が印象的でした。
この禅語には対句があって
「竹有上下節」(竹に上下の節あり)
竹には上下の節がある。それぞれの立場をわきまえてこそ、秩序も保たれるという言葉です。
男女・長幼、それぞれの立場をわきまえてこそ秩序が保たれると。
なんか差別的ですが、やはり世の中の真理だと思います。
男女平等を推し進めすぎると、悪しき平等主義になるし。
年齢が上だから偉いってことではないけれど・・・
例えば、若い有能な人が「あんたなんか年取っているだけだろ!」と口にする場面を想像してみてください。
たしかに、そう罵倒されてもしょうがない中高年もいます。
でも、それがごまかしようのない真実であるほど、言われた方は恨みを骨に刻みます。
そして、若い有能な人を思わぬ場面で陥れようとします。
若く有能な人であるほど、大仕事をするために礼節を大事にすべきと思うのです。
ちなみに植物としての竹は、硬い節があるからこそ、それを支えにして天高くまっすぐ伸びていけるそうです。
※前の茶道の記事と共に、前のブログからのお引越し記事です。