りんどうのマニアな図書室

田舎のおばさんが本を読んでぶつぶつ言っているブログです。書評中心ですが興味のない記事はスルーでお願いします。

【本】大工と鬼六と【映画】千と千尋の神隠し~名前をめぐる不思議な物語~

昔々、ある流れの早い川に、橋を架けることを依頼された大工がいました。
しかし、その川は人間の力では橋を架けることが不可能なほど、急な流れなのでした。
思案している大工の元へ、鬼が現れ
「おまえの目玉と引き換えに、おれが橋を架けてやろう」・・・と言い出したのでした。
大工は鬼と恐ろしい約束をするはめに・・・・
 

だいくとおにろく(こどものとも絵本)

 

これは、私のお気に入りの昔話。
 
恐ろしい約束をするはめになった大工ですが
余裕を見せた鬼からの提案、「おまえも目ん玉が惜しいんだろう。それじゃ、もし、わしの名前を当てることができたら、目ん玉は許してやってもええぞ。」
この提案にみごと答えて、鬼の名前を見事に言い当てます。
 
人間を超えた恐ろしい力を持つ鬼ですが、「名前」を大工に言い当てられて、魔力を失って消えてしまうところが、昔から面白くもあり、不思議でもありました。
 
名前を知られると魔力がなくなる魔物の物語は、世界中にあるらしいので、昔の人は「名前」には不思議な力があると思っていたんだろうな~、と私なりに解釈していました。
 
そんな私の解釈を変える出来事が最近ありました。
右手首の甲に、ぼこっとコブができたのです。
 整形外科で診察してもらうと、「ガングリオン」との病名が告げられました。

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こんな感じでコブができるので、気になるときは注射器で中身を抜いて小さくもできるそうです。
 割と多い関節の異常で良性の腫瘍らしく、ほったらかしでも大丈夫とのことでした。
 
私は3年ほど前から、右手首の動きに制限があり、人差し指と中指に少し痛みが出ていましたが、このガングリオンが皮膚表面から触れにくい所にあって、それが神経にさわっていたのだろうといわれました。
 
今回は、かくれガングリオンが表面化したようなのです。
3年前、右手首の異常を感じて病院を受診したら、「リウマチ」の疑いをかけられたりしたのですが、結局原因不明で経過観察のまま、現在まで至ったのでした。
 
原因不明の時は、このまま関節が動かなくなったらどうしよう・・・・、とか考えて不安が消えなかったのですが、病名がわかると「な~んだ」って感じです。
 別に右手首の不調が治ったわけではないのですが・・・
 
正体不明の不安が、人間にとって一番の魔物で、案外不安の全体像がつかめれば乗り越えていけるものかもしれない・・・、そんなことを考えた一件でした。
 
 
※これも前ブログからのお引越し記事
 
名前をめぐる不思議な物語といえば、千と千尋の神隠しも思い出します。
最近再放送されていましたね。
 
ある人の指摘なのですが、千尋と湯ばあばが契約するときに
千尋は自分の名前を正確に書いていません。
 

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荻野の「荻」の火の部分が犬になっています。

だから湯ばあばは、千尋の名前を完全に奪うことに失敗したのだと言っていました。

なるほど~。ここで正確に自分の名前を書いていたら、お友達のくれたカードを見ることもなく、ポケットにしまいこんだままだったかもしれませんね。